###「守護天使・・・だな。」
山のように大きな体に禍々しい形相。
一瞬あたりに緊張が走った。
恵(こいつ・・きよちゃんのこと知ってる?!)
きよ「ぅ、うち、確かに守護天使やけど・・・あんたは?」
次の瞬間、男の右手の拳がきよに向かってきた。
恵「あぶないっ!!!」
とっさにきよを抱え、横に飛んで攻撃をかわす恵。
ドゴッ!!
きよに当たらなかった拳はそのまま電信柱に激突。
柱が根本から折れ倒れこんできた。
恵「な・・・なんて力・・・・」
金剛「我が名は金剛(こんごう)、前世で密林の王であった・・・」
きよ「てことは・・・おっちゃんも守護天使?」
金剛「いや、俺はそんなんじゃねぇ。」
恵「じゃあ・・あんた一体・・・」
金剛「貴様には用はない。俺が用があるのは・・・・」
鋭く汚れた瞳が、きよにねらいを定める。
恵がきよを後ろに隠す。
恵「あ、あんたなんかにきよちゃん渡さないからね。」
声が震えている。
きよを見据えていた瞳が恵みに向けられる。
金剛「今日は挨拶だけだったが・・・気が変わった。
貴様らぶっ潰してやる!!!」
瞳が邪悪に輝き、またも右手が二人を襲う。
恵は逃げようとするが足がすくんで動くことができない。
覚悟を決めてきよを抱きかかえしゃがみこんだ!!
ドゴォォォ!!!!
金剛「ヌッ?!」
金剛の顔が曇る。
ねらいをはずしたはずはなかったが、
その場から二人が消え自らの拳がアスファルトを貫いている。
金剛「ド、どこだ?!」
まわりをきょろきょろする金剛。その時・・・
\\\「探しているのは僕たちですか?」
不意に上のほうから声が聞こえ、金剛が振り向く。
金剛「!!」
そこには恵ときよを抱えた一人の男が民家の屋根の上に立っていた。
金剛「貴様・・・・・」
怒りに震えながら金剛は男を凝視した。
そんな視線を浴びながら、男は安らかな笑みを浮かべた。
つづく