しかし3人が角を曲がり見えなくなると、2人の形相が一変した。
妃皇子「ファーストコンタクト、成功ね。」
その顔は以前神社できよ達を見ていた妖艶な女だった。
元樹「言ったはずだ、僕の計画は完璧だと。」
元樹の顔からもさっきまでの明るさは消え
神社で見せた冷ややかな嘲笑を浮かべていた。
元樹「まったく、人間とはこうも単純な生き物とは・・・」
妃皇子「人間とは情にもろく、偽善を働く欲深い生き物。
そんなもの達の肩を持つ守護天使・・・
まったく忌々しい存在だわ。」
元樹はきよにもらった運動会の景品を握りつぶした。
元樹「さぁ、ショーの始まりだ。
彼らに自分達がいかに下等で無力な存在であるかしらしめてやる。
もっとも大切なものを失うことで・・・」
その瞬間、自然発火し景品は灰と化した。
気がつくと日は沈み、東の空には満月が昇っていた。
不気味なほどに黄色く輝く、大きな満月だった・・・
つづく