きよく!ただしく!!

呪詛悪魔編 第二話「メッチャ楽しい秋祭り☆」

恵「やっぱ、信じられないね。」
千田「え?」
恵「どう見たって人間だもの、きよちゃん。天使っぽくない。」
千田「そう・・・かな?」
恵「守護天使ってご主人様を守ったりするのが役目でしょ?
  きよちゃんにそんな力があるなんて思えないなぁ・・・」
千田「・・・十分持ってるよ。」
恵「え?」
千田「さっきだって、僕らがケンカしそうになったのをとめたじゃないか。
   それに彼女が僕のところに来てから
   前ほど悲しい気分になることもなくなってきたし・・・」
恵「千田君・・・」
千田「僕ってさ、半ば勘当同然で家飛び出してきちゃったでしょ?
   だから、すっごく孤独だったんだ。
   でもきよちゃんが来てから毎日ドタバタばっかりでさ、
   孤独な気分になる暇もないくらいなんだよね。
   やっぱりきよちゃんは優秀な守護天使だよ。」

遠くではしゃぐきよを目を細めて見つめる千田。
恵が持っていたラムネのビンを千田のほほにつける。

千田「わっ!!な、何?!」

いたずらっ子のように可愛く笑っている恵。

恵「・・・親バカ。」
千田「え?」
恵「ま、そこが千田君のいいところなんだけどね。
  わかった。あたしも信じるよ。彼女は優秀な守護天使だって。」
千田「恵ちゃん・・・」

きよが二人に向かって叫ぶ。
きよ「おにいちゃぁ〜ん、おねえちゃぁ〜ん。これメッチャおもろいよぉ☆」
千田「いこっか。」
恵「行きましょっか。」

立ち上がり、きよの元に向かう二人。

 

 

その後もたくさん遊んで家路につくことにした。
アスファルトの道に三人の影が長くのびる。

恵「今日は楽しかったね、きよちゃん。」
きよ「うん!うち秋祭りだぁ〜い好き♪」
千田「よかった。またみんなでどこか遊びにいこっか?」
恵「あ、それいいねぇ。」
きよ「お兄ちゃん、そのためにもうんと働かなあかんよ。」
千田「え・・・・・」
恵「そうだよ、千田お兄ちゃん☆」
千田「ハイ・・・頑張ります。」
きよ「よし・・・エヘへ」
恵「フフフフフフ・・・」
千田「アハ、ハハハハ・・・」

三人の笑い声が秋の空に吸い込まれていった。

そんな三人の姿を遠くから見つめる者達がいた。


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