きよく!ただしく!!

元六・ヱ戸時代編 第弐話「使命と恋心の間」

ところ変わってここが噂の「寿曽屋」であります。
今ここに、火盗改めの与力3人組が主人夫婦と話をしております。

並森「南町火盗改めの並森だ・・・・
   クゥ〜〜〜〜ッ!!アニキィ、とうとう俺達が正義の味方ですよぉ。」
大森「アホッ!しゃきっとしとけや、しゃきっと!!!
   あぁ、コホン。同じく火盗改めの大森や。
   で、こちらがワシ等の・・・じゃなくて私達の上役である
   徳森さんです。徳森さん、ご挨拶を。」
徳森「・・・まぁ・・・・よろしく。」

金蔵「寿曽屋主人の金蔵(きんぞう)でございます。
   こちらは手前の妻のお妃皇(おひみ)、
   そしてこちらが番頭の元吉(もときち)でございます。」
元吉(元樹)「・・・・なんで僕がこんなことを・・・・」
お妃皇(妃皇子)「いいじゃないの、またださせてもらってるんだから。」
金蔵(金剛)「兄者、我慢してくださいよ。」
元吉(元樹)「まぁ・・・・別にいいが・・・・・」

大森「どうかしたんですか?」
金蔵「い、いえ、こっちの話で・・・・で、今日はどのようなご用件で?」
並森「いや、最近巷で『闇夜の九官鳥』なる盗賊が
   商店から金品を盗んでおるという噂を聞いてな。
   ここも気をつけるようにと言いに来たってことなんですよ。」
大森「そういうことですよね、徳森さん。」
徳森「・・・・まぁな。」
お妃皇「まぁ、それはご親切に。ご苦労様でございます。」
大森「とりあえずこの店の周りにしばらく私達の息のかかった者を
   張りこまさせてもらう。」
金蔵「は?」
大森「念のためだ。大丈夫、商売の邪魔になるようなことはせん。」
金蔵「はぁ・・・・・」
並森「大森さん、そろそろ・・・・・・・」
大森「ん?そうだな。それじゃ私達は他の店にも寄らねばならんので
   そろそろ失礼しましょう、徳森さん。」
徳森「・・・・まぁな。」

3人はそろって出て行った。

元吉「・・・店の周りにおかっぴきにうろつかれるとやりづらいですね、
   だ、旦那様。」
金蔵「そうだな。今晩にでも地下にいる女どもを運びださんと
   まずいことになりそうだな。」
お妃皇「とにかく、向こうの船はすでに沖に着いてるはずよ。
    早く渡して、私達も商品を受け取りましょう。」


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