The freezing fragment

2話 『ヒカリハヤミヲツクリ、イヤナモノヲカクス』

点灯スル

『あれ?』

俺の五感の全てのシナプスが、たった今繋がった。

ん?横に誰かいるぞ?ああ、ミカドか。スースー寝息立ててるし・・・、さて、ここは何処なんだ?・・・俺の下宿先か?俺の下宿先1Roomだけどな。

という事は、もしかして俺をコイツが?・・・まさか、こんな時に人様に世話になるなんてな。いや、こいつの場合は、『守護天使』・・・とか言うヤツだな。

間も無く、コンコンコン♪、と外からノック音が。「大地、いるー?」ゲ、この声は蒼天か!?アイツ、なんで俺んトコ来てるんだよ、オイ!「蒼天、マテ」「何でー?」「着替え中だ」

3mの通路を挟んだ会話。その距離がやけに近く見えた。

マズいマズいマズいマズいマズい・・・・・・・・・・・・「ミカド・・・起きろ」「・・・んー・・・・ほぇ?・・・おはよーございます、ごしゅじんさまー」ご丁寧にお辞儀してやがる。

「どーでもいいから隠れとけ」「えー?」「駄々捏ねんな」んな会話を耳にしたのか、「他に誰か居るの?」「居ねぇ、俺の部屋は狭い」と返す。何で嘘をついているんだよ、俺?

「・・・という訳だ」「はーい」ぷくーっ、と頬を膨らませ怒った表情で、ぬいぐるみになる。心成しか、ぬいぐるみの顔が怖く見えるのは気のせいか?

まぁ、良い。

「入りたいんなら入れ」素っ気無い返事、俺らしくないな。「ご飯、食べたー・・・って、どしたの、その怪我」「何時もの事だろう」

・・・・・・・・・・心配そうに俺を見るな・・・・・目線が刺さる、嫌いだ・・・・・・

「ん・・、仕方ないか。大地、馬鹿だもんねー」「御前よりマシだ」「むむーっ!!大地の癖に生意気なーっ!!!」イテテ、顔を引っ張るな!傷が、傷がー!!!

「傷が開く!」「あ、ゴメン」慌てて離したって遅い。・・・さて、どんな罰を与えようか・・・フッフッフ・・

「御前、判ってるよな」黒い衝動が湧き出てくる「うっ・・・・はーい」まー、日頃のストレス込めて「軽めに腹筋300」「これでも女だよー、私」「問答無用。竹刀、振り回されたいか?」

1、2、3、・・・と規則正しく腹筋している蒼天、と言うか運動馬鹿のこいつに腹筋300は朝飯前だったりするのだが。

・・・ん、蒼天の私物から音がする・・・ケータイか?っと・・・俺の方はミカドからか。

何々・・・「仲間がいるー♪ワーイ(^O^)」って、あの音はもしや蒼天も・・・なのか?有り得ん。蒼天に、んなコト出来るか。

「おい、ケータイ取るぞ。」「わっ、わーっ!」慌てても無駄だぞ、蒼天。お蔭で見当は付いたがな。

コイツのには、何て書いてあるのかねぇ・・・「ご主人様、気付いてくださーいっ!・・・・あれれ?何方ですか?」つーか、御前が誰だよ。意味分かんねぇ・・・、オマエラ、突然過ぎ。

その瞬間、光が見えた。閃光の中、俺は目を開けてられなかった。でも、見えた気がした。部屋ん中に来た第4のドウブツを。

「えーと・・・その・・・、ここは?」光が残る中、見えたSilhouetteはヒト

「誰だよ、次は・・・」ハーッ、とため息混じりな俺の声。「仲間、仲間—」とミカドの嬉しさが文面から伝わってる、俺からすれば面倒

「えーと、ここは?」「あーっ、『バックの中に居なさい』、って言ったよねーっ!」・・・いきなり会話をするな、鬱陶しい。

「まず、言っておく。そこのお前!」ビシッ、っと謎の少女を人差し指で指す。「は、はいっ!?」

「名乗れよ、話が見えん」「わたしはソウゲツともうします、よろしくおねがいいたしますー」「ほぅ。では御前の為に俺が説明してやる」

「まず、ここは俺の下宿部屋だ。で、俺の名前は藤田 大地と言う。御前がどーゆー経緯でここに居るかは知らんが、そこに居る蒼天 水面がここに来たのは何故かも知らん・・・」

「そして1つ聞く。御前、守護天使・・・とかゆーヤツだな?」

「え?何故それを?」・・・図星か。面倒だな・・・

ミカド出て来い」直後のメール。「ワーイ(^u^)」素直で・・・助かるな・・・

一瞬の閃きがあった後、ミカドが部屋に現れる。慣れが要るな、コイツラには。

「こんちはー」何だ、コイツのテンションは。

「えーっ!!!」「蒼天、何だよ、今更?」「これって、明日は吹雪に地震だよ・・・・」失礼な。「似かりよったりだろ」

「「えーと・・・」」守護天使達よ、状況が飲み込めてないか。「俺と蒼天は幼馴染なんだよ、今居る下宿も近いし。」「そうだよ〜ソウゲツ♪」

「んで、コイツはその事に1tempo遅れて気付いたって訳」「「あ、そうなんですかー(そーなのー)」」「つか、そこのチビ2人、ぬいぐるみに戻れ。」

「「何で(ですか)?」」「少し蒼天と話がある」



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