「御前とは久々に話をするな」「そうだねー」
「『悪夢』以来か?」「そうだね」
そう、俺を変えた悪夢。人の言葉で言うなら『惨劇』。本来有り得ない3日間。
あの日も賑やかだったな---------------------------------
俺はふつーのワルだった、その日もバイクをトバしていた。目の前に誰かが来て、敵だと思った俺の仲間がバット持って殴ろうとした。そしたら、相手がこー言うのさ。「こんばんは、候補クン」
ソイツ、馬鹿みたいに強かった、俺もヤラレタ。んで、気付いたらどっかの教室の中。まー、元々この世界なんてどーでも良かったが。
「君達は選ばれた人間です、だからテストを受けて貰いまーす」TELEVISIONから流れるビデオ。拉致された後、アト、痕。男の声。
その時、渡されたのが問題用紙なら良かった・・・・・渡されたのは銃、ナイフ・・・・教室から出るのを禁じられ、その部屋は血の大浴場となってしまった。
俺も、人を殺した。
「止めろ、ダチじゃねぇのかっ!?」怯え震える、昨日までの友。
「スマン、俺を恨むんなら恨め」「な、恨んだりしねぇから・・・」刹那、パラララララララッ。マシンガンの発砲音。
殺した・・・まず1人。内臓が荒れ、ポリープが行き場もなく溜まる、ドロドロとドロドロと・・・肺が半分にに砕け、黒ずんだタールが連想する黒いアスファルト・・・・地獄。内臓の横に見える脂はネットリと床に垂れ落ち、見るモノを脅えさせる。
それを俺は・・・喰った。大脳の皺から、眼球の毛細血管、指先の神経・・・・その時の俺は、ヒトじゃない、獣だ。
こうして生きてきた俺に天使など居る訳が無かった。しかし、その後の出会いは確かにあり、それによってミカドがいるのも事実だ。
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「ねぇ、なんでおかーさん、縄にぶら下がってるの?」
私の母は・・・死んだ。宙吊りで。父は程無くして逃げた、あの臆病者め。
行き場所が無くなった私が行った所、海外。理由は変わりたかったからだ、他意など無く。故郷をいいとはその時思え無かった。
そこで待っていたのは、獣にも劣る生活。スラム街での地獄の日々。
挙句の果てに、私は内臓を売る羽目になった。「やめて!」と泣き叫んでも、止まらないメス。意識が遠のいてく中見た顔は人間じゃない、悪魔。
そのアトの日々は覚えていない、私は体を作り変えられる中で訓練してただけ。もう流される他、無かった。(誰かキイテ、ワタシノコエ)
戦闘兵器として売られた先は、故郷。そこで初めて判った『ミチハジブンデキリヒラクモノ』。
ほんの少し自由を手に入れた、でも、その後在った悪夢。
私は自由を守る為(ギゼンダヨ、ワカッテルクセニ)にヒトを殺した。
その時だ、大地やまこっちゃんに会ったのも。
大地は今でも悔やんでるし、私だってそうだ、まこっちゃんに至ってはあの事以来、その話をすると狂ってしまう位だ。
そんな私に今更天使なんて居るはずが無かった。でも、今はここにいる。
「お互い、頑張るしかないな。」「ええ。」
その刹那、パンッ♪っと銃声。
ヤヴァイ、この上は先輩の部屋だ。「おいっ!」「マコト・・・センパイ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
俺らは闇へと進んでしまった。