パリンッ!
サファリ「!!」
サファリが水を飲もうとグラスに手を近づけた時、グラスが音を立てて砕け散った。
サファリ「チッ、なんてこった・・・・」
サファリはぶらぶらと右手を振る。
ピピピピピッ ピピピピピッ
通信機から音が鳴り響く。
ピッ
サファリ「あいよ」
よしき「よかったですね!サファリさん、ケンさんが・・・・」
サファリ「知らん!!」
ピッ
サファリ「・・・・・・・」
しばらくの間、砕け散ったグラスをじっと見つめるサファリ。
グラスはまるで光を失ったかのようだ。
サファリ「・・・・・ええい、くそっ!」
サファリは部屋を飛び出した。
ケン「く・・・あ・・・・」
ケンはガズーから受けた銃弾によって、倒れていた。
ガズー「こんな事もあろうかと、あのD.F小隊長から失敬したのさ」
ケンをあざ笑うガズー。
ケン「てめえ・・・卑怯だぞ」
ケンが口を開く。
ガズー「フフッ・・・あの頃を思い出さないか?お前が正面から向かってきたD.Fの隊員にナイフを投げつけ、
卑怯だぞ!と言われた時、お前が『そんなのは言われ慣れてんだよ』って言ってやったのをさ」
ガズーが言葉を返す。
ガズー「さて、そろそろ止めだ」
ケン「くっ!」
ケンは反射的に体を起こし、階段を駆け上がる!
ガズー「無駄だ!」
シュンッ!
ガズーはあっという間にケンの目の前に現れた。
ケン「チッ!」
ガッ! ビシッ! ズガッ! ドウッ!
ケン「ぐっ!」
互いの打ち合いの中、ケンはステンドグラスに叩きつけられる。
ガズー「!」
ケン「!」
ブンッ! ザッ!
炎を宿したそれぞれの拳が、互いの左肩の前で止まる。
2人「・・・・・・・・・」
しばしの沈黙で時が流れる。
ガズー「ケン・・・今、自分がどんな顔をしているか分かるか?」
ケン「・・・・何?」
ガズー「俺とお前は同じ力を秘めている、俺は人間、お前はキツネ・・・恨みより生まれし、復讐の炎の力だ」
ケン「そんな力の使い方・・・忘れちまったぜ」
ガズー「ならばなぜ守護天使になっている!!」
ドゴオオオオオオオオオオオオンッ!
互いの炎が爆発し、ケンとガズーは左肩を押さえる。
ガシッ!
ケン「ぐうっ!」
ガズーがケンの顔をつかみ上げる。
ガズー「死ねっ、ケン!」
ガズーがケンをそのまま突き飛ばす!
ガシャアアアアンッ!
ステンドグラスが砕け散り、ケンは空から地へと落下していく。
ガズー「!」
ガズーがケンの異変に気付く。
ケンはガズーのハンドガンを奪い取り、ガズーに向けて構えていたのだ。
ケンが弾を放つ!
落ちゆく中、力無き瞳でケンは過去を思い返していた。
冥府の世界の風景・・・・・
自分と共にいるガズーと数々の呪詛悪魔達・・・・・
そして、冷酷な顔で守護天使を引き裂く自分の姿・・・・・
激しい戦いの中、互いに微笑むガズーとケン・・・・・
小さな守護天使を守るためにキッと睨み付ける傷付いた守護天使を見た時、ためらった自分・・・・・
いつの間にか、ケンとガズーは互いの炎を向け合っていた・・・・・
そして戦いの最中、突然のギィス隊の銃撃・・・・・
ガズーは倒れ、ケンは血まみれになりながら小さく微笑む。
そして、ケンの放った弾はガズーを貫いた。
血まみれでフラフラと歩くケンの前に、1つの光が現れた。
それが1人の女性の姿を現した時、ケンはその場に倒れてしまった。
ケン「・・・・う」
ケンが目を覚ますと、そばに1人の女性がいた。
それがメガミという事はケンにはすぐわかった。
ケン「・・・・なぜ助けた?」
メガミ「あなたはまだ守護天使としてやり直せます、だから助けました」
ケン「・・・・・ありがとう」