――一方メガミ様――
「うーん、たまにはこうやってのんびりと寝転んでるのもいいわね〜」
「………あなたは、いつも寝ているんじゃないの?」
「あっ! 失礼ね。そういう言い分は言っちゃぁいけないのよ?」
「こんな所でのんびりと寝てて良いの?」
「いいのいいの。どうせあたし☆は『自由行動課』なんだから」
「…そう」
二人は公園の芝生に寝転んでいた。
一人は巫女装束を身にまとったメガミ様。そしてもう一人は…
「ねぇサッちゃん。もっとこう、ハジケることは出来ないの?」
「弾ける…?」
「そう。鼻歌歌いながら満面の笑顔でソージや洗濯してみなさいよ?気分スッキリするわよ」
怖いもの知らずのメガミ様である。あの「白鷺のサキ」に向かってこういう事を言うのだ
「…本気で言ってるの?」
「当たり前よ。サッちゃんは料理だって鉄人真っ青なんだから、もう少し明るく振舞ったらどうなのよ?」
「……」
「そりゃ暗〜イ過去があるのは分かるけどね…。せっかく気が利いてて優しいのに、それを氷に塩を勢いよく蒔いたかの様に冷たい性格が邪魔をしてもったいない」
「…それは貶(けな)しているの? それとも誉めているつもり?」
「少なくとも10割は誉れよ?」
「…答えになってないわ…」
「いけずぅ…………ん?」
そんな低レベルな会話が続く中、急に二人の間に割って入るように水球が現れる…
「何?これ…テレポート?」
サキがそう言うと
「の、一種みたいね。あたし☆達がよく見るタイプとは全くの別物だわ。水球なんて見た事ないもの」
水球は大きく膨らみ、バシャッと音を立てて弾ける。その中から出て来た者は…
「!?」
メガミ様はあっけにとられた様子で驚いている。
「え?……て、てゅき…クロメダカのてゅき…なのかな?」
「うん!そうだよ」
「だれ?この子…」
「ああ、この娘は…」
「そんなことより大変なの!」
「え? 何かあったの?」
「あのね………」