未だ見ぬ此方の物語
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――めいどの世界――
――D・F(ドミニオンフォース)の一端にある一室――
――そこには「自由行動課」という小さな部屋があったの…。
その部屋には、少し風変わりな巫女さん姿のメガミ様がいて――
――少し遠く離れた所に小さな丘があり、そこにそびえ立つ石柱…。
そこには、銀色に輝く宝玉を持った天使がいて――
――そして、その近くの別の小さな丘に、透明な宝玉を持つ天使がいました――
これは、そんなおかしな、ひとりのメガミさまとふたりの守護天使のものがたりです―
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キィン…
鋭い金属音が静かに小さく響く…
ヒュッ…
そして空をかすめる音がその後に響く…
キィン…
ヒュッ…
暫く音が止む……
刹那!
ガギギィィン!!
何かを削り取らんばかりの金属音が大きく響いた…
「くあっ!」
「………………」
一方は藍色の長い髪を持った少女。およそ16歳前後といったところか…。
その反対側には、白骨の様な鎧を身に纏った「人型のような物体」が浮いていた…。
全長はおよそ3メートルといった所だろう…
各部のパーツに間接などなく、それぞれが離れている。
「物体」は手に持っているロザリオ(十字架)を振りかざし…
少女に向かって振り下ろす!
キンッ!
少女はその攻撃を鉤爪で防ぐが、既に限界は近かった
「このままじゃ…!」
少女は懐から取り出した珠を「物体」に投げつける…
すると珠から眩い光りが輝き、暗闇だった妙な空間を真っ白に染めていく…
……光りが消えた頃には、少女の姿はどこにもなかった…
「………………」
「物体」はぴたりと止まり、やがて浮いたままゆっくりと移動していった…
狩り損ねた獲物の所在をゆっくりと探しながら…