夢追い虫カルテットシリーズ

VOL.10「饗介の逆襲」

饗介「で、具体的に俺に何をしてもらいたいわけ?」
光彦「決まってるだろ、もう僕たちにつきまとわないでくれ!」
饗介「うーん、事と次第によっちゃあ聞いてやってもいいな。」
光彦「どんな?」
饗介「俺の望みはまゆりちゃん。あの子と一晩一緒にいたいんだよね、ぐふふふ。」

饗介のだらしない笑顔や膨れた股間から、彼が望んでいる事はすぐに理解できた。

光彦「なんでそんなことを!」
まゆり「そうですわ!あなたなんかにこの身を捧げるくらいなら、死んだほうがましですわ!」
饗介「そうかい。じゃあ俺にも考えがあるぜ。」
光彦「ど、どんなのだよ。」
饗介「こうするのさ!」

そういうと、饗介は手をカルテットの四人に向かってかざした。すると、あすか、みゆう、ひとみの三人が服を色っぽい仕草で脱ぎ始めたのだ!もちろん、三人の意志に反してのことである。

みゆう「え…?」
ひとみ「何が…?」
あすか「体が…勝手に…。」

光彦とまゆりはあせった。

まゆり「なんということを!」
光彦「やめろ!ここは外なんだぞ!」
饗介「やめろといわれてやめるバカいましぇーん!」

そうこうしているうちに、自らの手によって服を脱がされている三人は下着姿にされていた。
ちょうど夕暮れ時、下校途中の男子学生の好奇心丸出しの視線が三人に容赦無く突き刺さる。

あすか「いや…。」
ひとみ「見ないで下さい…。」
みゆう「恥ずかしいよぉ…。」 

やがて、ブラジャーが外され、三人の形の良い胸が露になった。周囲の視線はますます残酷なものとなって三人を襲う。

そして、ついに最後の砦であるショーツに手がかかった。

あすか「あ…。」
みゆう「やめて…。」
ひとみ「そこだけは…。」

三人は、恥ずかしさのあまり涙を流し始めていた。
そして、ついにショーツが下ろされんとしていた瞬間、まゆりは叫んだ。

まゆり「もうやめて下さい!何でも言うことを聞きますから!」
饗介「何だって?」

その言葉を聞き、饗介は三人にかけていた力を解除した。

あすか&みゆう&ひとみ「ふええ…。」

三人は、その場にへたり込み、そしてあわてて服を着始めた。

光彦「まゆり、そんなこと言っちゃだめだ!」
まゆり「いいんです。わたくしが…身体を捧げることで解決するなら…。わたくし一人が…犠牲に…なれば…。」

言葉を最後まで言わないうちに、まゆりも泣き出してしまった。
このまゆりにとっては最低の男に大切なものを捧げなくてはならない…耐えがたい屈辱であるから、この反応は当然である。

その時、この一部始終を見ていた光彦が、怒りに燃えた目で饗介をにらみつけた。おそらく、二十五年の生涯で一番怒りに燃えた瞬間であろう。

光彦「こら!」
饗介「ん?」
光彦「数々の残酷な振る舞い、僕は決して許さない!」
饗介「そうかい、じゃあかかってきな。」
光彦「うおおおっ!」

そう叫ぶと、光彦は饗介に飛びかかった。
だが、饗介は慌てず騒がず、光彦を念力ではじき飛ばした。前回と同じパターンである。

光彦「わかっていたはずなのに…。」

光彦は、打ちどころが悪かったのか、そのまま気絶してしまった。

饗介「アホかこいつは…ってん?」


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