<発端>
D.F.第64小隊・通称「チームインセクツ」に、ある重大な事態が発生していた。
メンバーの一人である「アリのかつみ」が行方不明になったのである。
なたね「え?かつみさんがいなくなった?」
あや「そう。しかも居場所が皆目見当つかなくて…。」
ともみ「探しに行こう!」
あや「もちろん!」
かくして、3人はかつみを探すべく行動に移った。
<囚われのかつみ>
一方そのころかつみは…
かつみ「う…うーん…。」
ダイチ「おお、気がついたかい。」
かつみ「はっ!ここは!そしてあんたたちは!」
かつみははっとして周囲を見回した。かつみが驚くのも無理はない。街を歩いていて不意に首に鈍い衝撃が走って意識が飛び、目が覚めたらまったく覚えのない場所にいたのだから。おまけに自分の周囲を取り囲むのは下品な微笑をたたえた少年たち…。
ダイチ「ここは異次元の世界。それ以上のことは言えないけど人間界でないことは確かだ。そして俺たちは…。」
ショウ「炎の戦士・ヤママユのショウ!」
イリエ「氷の戦士・ゲンゴロウのイリエ!」
シュン「雷の戦士・カミキリムシのシュン!」
ダイチ「地の戦士・ケラのダイチ! 4人そろって!」
4人「ダークロードカルテット!」
まるでヒーロー物の主役のように名乗りを上げ、ポーズをとる復讐鬼ユニット・ダークロードカルテット。かつみはそれを冷ややかに見つめていた。
かつみ「はあ?あんたたちもしかして、バカ?」
ダイチ「うるさい!結果を残せばどうだっていいんだそんなもの!というわけで結果を残すために勝負だ!」
かつみ「望むところよ!」
かくしてかつみとダークロードカルテットの格闘が始まった。
かつみは日本刀を手によく健闘していた。しかしそれは表向きのこと。ダークロードカルテットの4人はめちゃくちゃに手加減していたのである。わずかでも希望を信じていられる者はそれを喪った時にとてつもない絶望に襲われる…。4人の手加減はその布石を築くためのゲームに過ぎなかった。
やがて、4人は力を徐々に解放していき、それと共にかつみもまた追い詰められていく。そして…
バキイッ!
ダイチの手刀がかつみの日本刀を捕らえ、粉砕した。
かつみ「そんな!あたしの刀が!」
ダイチ「これでお前は丸腰だな。というわけでみんな、捕らえろ!」
ショウ「よっしゃ!」
イリエ「はいな!」
かつみ「は、離してよっ!」
ダイチ「無駄だ無駄だ。よーし、あそこにとりあえずくくりつけておけ!」
こうしてかつみはダークロードカルテットに捕らえられ、用意してあった十字架に磔にされたのであった。
かつみ「ちょっと、離しなさいよ!」
ダイチ「口の減らないやつだな…。よーし、シュン!あの子に今自分が置かれている状況が何なのか教えてあげろ。」
シュン「オッケー。」
ダイチ「手加減も忘れないように。」
シュン「分かってますよ。では、サンダーウェイブ!」
シュンの放った電撃がかつみの胸に輝くバッジを捉えた。
かつみ「ああっ!」
かつみは胸の辺りにわずかな刺激を感じた。その刹那…
かつみ「う…うそ…。」
道着を思わせるかつみの戦闘用めいど服が崩れ去り、リボン状になってしまったのだ。実はそのままではリボンも失われて全裸になるのであるが、シュンの趣味のため絶妙の力加減でリボンは保持されていた。かつみは、その裸体をわずかにリボンによって包まれているだけの状態になった。
シュン「大成功!」
ショウ「これはいい眺めだぜ!ヒューヒュー!」
かつみ「み…見ないで…。」
普段の気の強さはかつみからもはや失われていた。
ダイチ「さてと。これからお前には仲間をおびき寄せる餌として働いてもらうことにするよ。覚悟はいいかな?」
かつみ「い…いやあああああっ!」
ダイチ以外の3人はかつみにとてもここでは書けないほど下品な言葉を浴びせながら写真を撮り、かつみに精神的苦痛を強いる作業に入った。
一方、ダイチはテレパシーを発信し、また異次元と人間界を結ぶ通路をわざと空け、あや・ともみ・なたねの3人が来るのを待った。
(さあ…早く救出に来い…。そうでないとこの娘がどうなるかは分からないぞ…。)
<対峙>
一方、人間界では…
あや「はっ!このテレパシーは!」
ともみ「かつみさんが大変なことに!」
なたね「早く助けに行かなきゃ!」
3人はすぐさま異次元へと向かった。
3人が異次元空間で見たものは世にも痛ましい光景であった。
下品な微笑をたたえて待つ4人の少年たち。その後ろには、戦闘用めいど服の残骸であるリボンに包まれただけの状態で磔にされ、精神的苦痛が亢進して目の焦点すら合っていないかつみがいた。
なたね「かつみさん!」
ともみ「なんてひどいことを…。」
ダイチ「君たちだね。この娘を助けに来たのは。」
あや「ああそうよ!」
ダイチ「まあ…俺たちだって野蛮人ではないからな。条件によってはこの娘を解放してやってもいいのだが…。」
なたね「?」
ダイチ「条件はこうだ。俺には3人の仲間がいる。その3人の仲間とお前たち3人とでタイマンバトルを行う。お前たちのうち1人でも勝てたらあの娘は返してやろう。」
あや「本当ね?」
ダイチ「ああ。本当さ。この件に関してはうそは言わないぞ。」
あや「分かった。」
ダイチ「決まりだな。よーし、お前ら、散れ!」
ショウ&イリエ&シュン「OK!」
あや「わたしたちも行くよ!」
ともみ&なたね「はい!」
かくして、3組の戦いは始まった。もっとも、実力的にはダークロードカルテット側のほうがはるかに上。はっきり言って彼らの頭の中には「いかにして萌える負かし方を演出するか」しかなかった。