とある公園のベンチでたまみとRynexが並んで座っていた。
Rynex「たまみちゃん、この頃元気ないんですって?もしよかったら私が相談に乗りますよ。」
たまみ「......」
しばらく無言でうつむいていたたまみがようやく口を開く。
たまみ「......守護天使が誰かを好きになるって、いけないことでしょうか?」
Rynex「えっ...?」
たまみ「勿論、たまみ達はご主人様の事が大好きです。でも、もしもですよ。
もしも、他の誰かを好きになってしまって...そのためにご主人様のお役に
立つという目的がおぼつかなくなったら、やっぱり守護天使失格ですよね...
...ご主人様は怒るかな...?」
たまみはますます表情を暗くする。
Rynex「きっと、喜ぶと思いますよ。」
たまみ「!?」
Rynexの意外な言葉にハッとするたまみ。
Rynex「私が思うには、あのご主人様はみなさんの事を守護天使とは思っていない
のではないでしょうか。むしろ、そう...『家族』でしょうかね。」
たまみ「家族......」
Rynex「もし、ご主人様以外に誰か好きな人ができたとすれば、それはすなわち自分
の幸せを見つけられたって事じゃないですか。守護天使の肩書きとは関係
なく
、人としての幸せを...だからご主人様もきっと喜んでくれますよ、家族
として。」
たまみ「Rynexさん......」
Rynex「どうですか?こんな感じで。」
たまみ「何だか、少し心が軽くなったような気がします。今日はどうもありがとうござい
ました。では、失礼します。」
たまみはベンチから立ち上がり、礼を言って去っていった。それを優しい眼差しで見送るRynex。
遊園地では、G3とるるが観覧車に乗っていた。
るる「わあ、夕日がきれ~らお~」
るるは窓に顔をはりつけて夕暮れで赤く染まった景色に見入っていた。
夕日に照らされた景色の光と影が絶妙なコントラストをかもし出しており、
G3に平和の素晴らしさを実感させるには充分に魅力的な風景であった。
G3‐XX「......ああ...」
G3も夕日に見入っていたが、やがて視線をるるの方へと向ける。
G3‐XX「なあ、るる。」
るる「何らお?」
顔を窓からはがして振り返るるる。
G3‐XX「今日は、その......ありがとうな。つきあってもらって。」
るる「るるも、ありがとうだぉ。今日は、じーすいーたんのおかげでいっぱい、いっぱい
楽しかった♪ じーすいーたんも、お元気いっぱいになってよかったね。」
G3‐XX「るる......」
るる「じーすいーたんは、るるや姉たん達、それにご主人たまを助けてくれた。
だから、るるもじーすいーたんをお助けしたかったの。」
G3‐XX「.........」
るる「るるは、じーすいーたんをお助けできたかな?」
G3はるるの肩にそっと手を乗せ、
G3‐XX「おおよ、るるにお助けしてもらっちゃったぜ。激しく感謝しまくりだな。
今度はるるのお出かけにお付き合いしたいねえ、ぜひ♪」
るるはぱあっと笑顔になり、
るる「わ~い、感謝されたお♪お助けできたお♪」
バンザイで大いに喜んだ。それを見守るG3は、どこか神妙な感じのする様子だった。
G3‐XX「な、なあ...るる......」
G3がるるの顔をじっと見つめる。マスク越しでもその眼差しの真剣さが伝わってきた。
るる「じーすいーたん...?」
G3‐XX「お、俺さあ......お、お、お前の...事......」
G3の口調が震えてきた。もし彼が普通の人間だったら、顔が真っ赤になり、呼吸が乱れ、心臓がバクバクいっていただろう。
G3‐XX「......す...す......」
るる「???」
きょとんとした表情で首をかしげるるる。
G3‐XX「す......素敵な...友達だと...思ってるんだぜ......」
それを聞いたるるは嬉しそうに、
るる「るるも、じーすいーたんの事、お友達だと思ってるお!とってもとっても、素敵な
お友達らお!!!」
G3‐XX(結局、言えんかった...でもま、これはこれでいっか...ハハ...)
何やら嬉しいような悲しいような、複雑な心境のG3であった...
この後、グランチェイサーに送られ、るる帰宅。