Legend of Quel

第三部(完結編) 第2話

ここは守護天使達の住む家...
るるは、今まさにデートに出かけようとしていた。それも、ご主人様以外の男性と。
守護天使がご主人様以外の男性とデートする、とPETSファンが聞いたら普通は驚くであろう。
何しろ、前代未聞...とまでいくかどうかはわからないが、少なくとも極めて例の少ない事なのだから。
だが、今回のデートにはわけがあった。

らん「それにしても、意外な事になりましたね。」
つばさ「ほんと。この間Rynexが訪ねてきた時は驚いたよね〜。G3さんが落ち込んで
     るからるるに元気づけてほしい、なんてさ。」
ご主人様「ああ。でも、何か信じられないな。あのG3さんがそれほどまで落ち込んでる
      なんて。一体、何があったんだろう。」
くるみ「きっと、お腹がすいてるの〜。だからデートして、おいしいものをい〜っぱい
    食べればぁ、元気になるの〜」
つばさ「くるみ、相変わらずそればっかり...」

やや呆れ気味に言うつばさ。苦笑するらんとご主人様。と、そこへ突然けたたましい悲鳴が飛び込んでくる。

「ああああああああああああああっ!!!!!」

らん達が振り向いてみると、声の主はみかだった。

みか「ちょっと、るる!みかの口紅勝手に使わないでよ!!!」
るる「るる、おでーとできるから立派な『れでぃ〜』らもん。」

鏡台の前でるるが口をベタベタに赤く塗っていた。

らん「あらあら、るるちゃんったら。はい、お顔を洗いましょうね。」

らんは、いそいそとるるの下へ駈け寄っていった。

でもって、待ちあわせ場所である遊園地前。既にG3がグランチェイサーを止めて待っていた。
約束の時間まではまだ1時間ほどある。

G3‐XX「ぶぴぶぴぶぴ...るるたんとのおでえと...夢にまで見たおでえと...
      最高じゃ、このウキウキ感...ウケケケケケケケ......」
子供「ママー、あれなーにー?」
母親「み、見ちゃいけません!さあ、い、行くわよ!」

通行人は、奇声を発する鎧の男を避けて通っていた。

時間が経ち、約束の時間のおよそ10分前になる。

るる「じーすいーたーん!!!」

るるの呼ぶ声にビクンと反応するG3。

G3‐XX「おおおおおおおおおおっ!!!!!我が愛しのぷりんせすううううう!!!!!ルルルララリラ〜〜〜♪」

G3がるるの方へ駆け寄る。まるでバレリーナのような足取りで(笑)

G3‐XX「ああ...幸せだなぁぼかぁ...(加山雄三風に^^)」
るる「あれ?じーすいーたん、お元気なかったんじゃないぉ?姉たん達が、じーすいー
    たん、お元気ないって言ってたぉ。」
G3‐XX「るるの顔見たら一発で元気1億万倍だぜブヒャヒャヒャヒャ!!!」
るる「そっかあ、お元気出たんだぁ。よかったね、じーすいーたん!」

G3‐XX「おおお...何と優しい言葉じゃ......おっしゃあ!んじゃさっそく行くぜ。
     今日はRynexの奴がくれたフリーパスがあるから乗り放題じゃ!」

るる「わーい、行こう行こう!」

2人は遊園地の中へと入っていった。

一方、その頃...

なな「ねえねえご主人様、早く早く!」
ご主人様「おいおい、ちょっと待ってくれよ。」
もも「ななちゃんって、ほんと足が速いんだから。」

3人は今、散歩の最中であった。本当はももやななも一緒に遊園地に行きたがっていたのだが、ご主人様が散歩に連れて行ってくれるという事で喜んでついてきたのだ。

なな「こんなに天気がいいんだから、たまみ姉ちゃんも来ればよかったのに。」
もも「たまみお姉ちゃん、何だか機嫌悪そうだった。どうしたのかな...」
ご主人様「そういえば、ここ最近あまり元気がなかったな。できれば相談に乗って
       あげたいけど...」

RynexがGストライカーのコンピューターでデータの解析をしていると、
買い物帰りのたまみが近くを通りかかってきた。どうやらGストライカーの車輪は怖くないらしい。
たまみの表情が暗く元気がなさそうだったので、RynexはGストライカーから降りて声を掛ける事にした。
モニターに映っている『axiom』の文字列はひとまずおいといて...

Rynex「あら、たまみちゃん、お買い物ですか?」
たまみ「......」

そう聞かれても、ただ黙って表情を曇らせるたまみ。

Rynex「何か、悩みでもあるのですか?」

遊園地にて...

るる「キャハハハハハ!!!」
G3‐XX「あびょうああああああああああああああああッ!!!!!!!」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!
ジェットコースターに乗ってはしゃぐ2人。

るる「あー面白かった。次はあれがいい〜」

そう言ってお化け屋敷の方を指差するる。

G3‐XX「フッ...ヅギンゲロボザ!(訳:次の獲物だ)」

で、お化け屋敷の中。
暗い道を2人で通っていると、さっそくお化けが...

お化け「う〜ら〜め〜し......」
G3‐XX「うるああああああッ!!!!!」
お化け「ひいいいえええええッ!!!」

G3の眼力(と声)に驚いてお化けが逃げていく。

るる「じーすいーたん、だめだぉ。お化けさん脅かしちゃ。」
G3‐XX「あ、いっけねえ。つい癖で。」

ミラーハウスにて。

G3‐XX「こういう鏡からモンスターが出てくるんだっけ。ようし、ドラゴンライダーキック
      だ!ファイナルベント!!!」
るる「わ〜い、じゃあ、るるもきっくらぉ〜」

ライダーごっこで遊ぶ2人。

コーヒーカップ。

G3‐XX「オラオラオラオラオラオラ!!!」

ハンドルを思い切り回しまくるG3。

るる「あははははは!!!るるも回す〜」

この後激しく目を回するる(G3は平気)。\(@▽@)/ メガマワルオー

こんな感じで時は過ぎ、夕暮れが綺麗になった頃、2人は観覧車の前に来ていた。

G3‐XX「グエッフェッフェッフェッ、最後はあれでシメじゃ! 観覧車でフィニッシュ
      というのが遊園地のお約束だってRynexが言ってたぜえええ♪」

てなわけで、2人は観覧車に乗り込んだ。


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