Legend of Quel

第三部(完結編) 第17話

復讐鬼の群れを蹴散らして進むグランファイアー。今度は地球よりもでかい超大型戦艦がそれこそ星の数ほど(ざっと見て数億)現れた。
戦艦が一斉に無数のビーム(太さは月の半径とほぼ等しい)を撃ってくる。1隻の撃つビームだけで数万本は下らなかったが、G3の恐るべき操縦テクと、光をもぶっちぎりで超えるグランファイアーの超スピード・機動力でこれを尽くかわしていく。
戦艦の無数のビームがあっというまに周囲の空間を覆い尽くすのだが、その頃には既にG3の姿はそこにはなく、次の瞬間には無数の戦艦が無数の爆発に姿を変えていた。

G3は攻撃をかわしつつ右腕にGA‐04を瞬時に装着し、その脇に無数のGG‐02を弾帯でつなぎ合わせる。それも、途轍もない程の早業で。

G3‐XX「しゃらくせえぜえええええええええええええええええッ!!!!!!!!!」

ドシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!!!!

GA‐04のワイヤーが天文学的な距離を伸びていって外側から戦艦をまとめて取り囲み、
くくりつけられていた無数のグレネード弾が一気に炸裂!!!

バグオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!

この即席爆導索で戦艦の数が激減。勿論同時にロックオンレーザーなども忘れずに使い、戦艦の砲撃を沈黙させる。
そしてさらに、機体からミサイルコンテナを無数に射出、外殻が割れて計数千万発以上のXXX弾(トリプルエックス弾。その威力はXX弾をはるかに凌ぐ)が飛び出し、それらが四方八方に飛んで戦艦や怪人を一掃する。

さらに突き進むと、るるにそっくりな姿の復讐鬼が多数(およそ数百万体)やってくる。
まともにぶつかったのでは勝ち目はないとみて精神攻撃に切り替えたと思われる。が...

G3‐XX「GS‐03、GL‐08、アクティブ!!!」

ガシャコン!!!
GL‐08の先端にGS‐03を取り付け、エグザイズの力を少しだけ解放。
すると、その即席斬馬刀が巨大化していき、丸太ほどの太さとはるか彼方まで届く長さになった。

怪人「じーすいーたーん......」

るるの声色を使って惑わそうとする怪人ども。しかし、今さらそんなものに惑わされるわけはなかった。G3は超大型の斬馬刀を構える。

G3‐XX「クライシス・レイ・ザンバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
      アアアアアアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバス!!!!!!!!!!!!!!!!!

一振りであっという間にるる似の怪人どもを真っ二つにしていく。直接刃に当たらずとも、その闘気の影響で周辺の敵もまとめて始末できるのだ。
さらにその後、テレパスで精神を直接攻撃してくる怪人の大群もいたが、アストラルキャンセラーの前には全く無力であった。
G3はその思念を逆流させ、逆に怪人どもの頭をスイカ割りのように吹っ飛ばしてやる。迷いの吹っ切れた今のG3に、もはや恐い物など何もなかった。


天界では...

千田さん「す、すごい......」
美月「これって、SF映画じゃないよね...?」
なな「G3、強~い!やっぱりG3は無敵の仮面ライダーだよ!!!」
ロック「どちらかってーとガンダムっていう気がしないでもないがな。」

普段のロックなら軽い口調でそう突っ込みを入れるところなのだが、
チャッカマンすら点けられないほど火をトラウマとしている彼はそれどころではなく、
隅の方でガタガタ震えながらうずくまっていた。何しろ、映像に見えるものの大半が爆発なのだから。

サキ「G3‐XX...噂には聞いていたけど、これほどの力だとは......」
レオン「やはりこの戦いはあいつに任せるしかなさそうだな。」

映像の中で繰り広げられる破壊劇に驚く一同。この時、物陰から映像を覗いている人影がいた事など、誰も知る由もなかった。
中には気づいた者もいたようだが。

サキ「......?誰かいるみたいね...」
レオン「殺気は感じない。今は構わなくていいだろう。でも、一体いつから...?」
サキ「気をつけた方がよさそうね...」

おそらく人影は今のこの瞬間よりももっと前から2人の後をつけてきたのだろう。
サキやレオンでもすぐには気づけなかったところからすると、どうやらその人影は気配を消すのが非常にうまいらしい。
とはいえ、特務機関の諜報員としての訓練を受けてきた2人を相手にいつまでも隠れ通せるものではなかったのだが。

人影「.........G3.........クゥエル...............!」

その人影は、何やら悔しそうに拳を握り締めていた。まるで、何も出来ない己の無力さを呪うかのように...

なお、映像の音声が思いっきり低めに抑えられていた事と、銃火器を使っていたのがG3であった事などから、
あかねはそれほど爆音を怖がらなかった。
また、サキは前世のトラウマ(現在は克服済み)から銃火器に対して嫌悪感を抱いている様子だったが、
それに気づいた者はレオンを始めとするごく少数の者のみだった。
そのレオンもかつては火や爆発をトラウマとしており、現在は克服しているものの、やはり火に対するマイナスイメージは払拭しきれないようだ。


凄まじい勢いで突き進むグランファイアー。
やがて惑星のような要塞、いわば要塞惑星とでも言える兵器がはるか前方に見えてきた。
太陽ほどの大きさを誇る要塞惑星の全体におびただしい光が集まり、
やがてそれはG3に向かって猛スピードで迫ってきた。このビーム1発で太陽系が2~3回は消し飛ぶであろう。

ドグオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!!!

要塞惑星は、そのビームを少なくとも数億本は撃ってきた。しかし、G3はこれを難なくかわす(!)と、さきほどの斬馬刀を振りかぶり、

G3‐XX「ざけんじゃねえぞゴルァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバスズバス!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

要塞惑星も、るる似の怪人達と同じ道を辿った。
...と思ったのもつかの間、今度はそれと同じものが無数に現れ、ビーム(のようなもの)を一斉掃射してきた。
1隻で数億発撃ってくるのが数千億隻。G3の周囲はほとんどビームで埋め尽くされていた。

G3‐XX「ヌオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!」

雄叫びと共に全身に黒い電流を帯びたG3は瞬時にエグザイズに超変身してGB‐09を強化、
機体全体を覆う巨大なバリアーでこれを防御しつつ強化GF‐0Xを構える。
G3が超変身すると、武器もそれに呼応して大幅にパワーアップするのだ。

G3‐XYZ「ぶっとべええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ドッヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

銀河系を数回は吹っ飛ばす強化GF‐0Xの閃光が要塞惑星群を掃除機のように飲み込んでいく。およそ数千億あった敵兵器が一瞬で消し飛んでしまった。
が、その後間もなく、新たな要塞惑星群が太陽系のようなフォーメーションを組んで無数にやってきた。
その数、約数兆。陣形を組んだ兵器は、先ほどよりもさらに強力なビームを撃ってくる。
次元転送システムにより、1発で太陽系を10回は吹っ飛ばすビームを四方八方から飛ばしてきた。

バッシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

撃たれたビームがふっと消え、G3の周囲に現れて一斉に取り囲む。
ここが異層次元ということは現在テレポートの真っ最中のはずだが、
その中でさらに空間を超えてくるとあればもはや物理法則などというものを超越してしまっており、
普通に考えれば尋常じゃないほど脅威的なはずである。
しかし、G3は周囲全天360度からやってきた天文学的な数のビーム全部を軽々と受け止めた。

G3‐XYZ「お返しじゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
G3はビームを全て跳ね返し、もと来た時と同じように空間を超えて要塞惑星群に向けて飛ばした。

ドグオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!!!!!

周囲を揺るがすほどの爆発と衝撃が発生し、天界でそれを見ていた一同も、水晶玉を通して軽い振動を体に感じた。
映像で見るそれは、まるで世界を滅ぼし全てを終わらせる最後の輝きのようにも見えるだろう。
もし水晶玉に光、音量、衝撃などを自動調節する機能がなかったら、その場にいた者全員が失明、鼓膜破裂、
下手をするとショック死していただろう。水晶玉から見る光景は実際の凄まじさのほんの一欠片すらも伝えてはいないのだが、
ゆきやロックのように火を苦手とする守護天使に耐えがたい恐怖を与えるには十分すぎる衝撃である。
(厳密に言えば、異層次元における一連のレーザー、ビームや爆発は地球上に存在する光や火とは全く異質の、物理法則などぶっちぎりで超越した別の何かなのだが)
もしこの規模の爆発が3次元で起きれば銀河系が少なくとも数十回以上壊滅するだろう。それが収まった後には、敵の姿は影も形も見当たらない。


その信じがたい光景を前に、人々は何を思い、そして何を感じるのだろうか...



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