Gストライカー内部。
黒のアンダースーツを着たクゥエルがRynexとギャリドの手を借りて青い装甲を装着していく。
胸、肩、腕、足、頭...そして大いなる決意を、勇者の証が包む。
Rynex「G3‐XX 装着完了。」
G3‐XX「おっしゃあああっ!!!!!」
ガッツポーズを決め、これまでにないほどやる気満々のG3がグランチェイサーにまたがる。
G3‐XX「おい、Rynex。お前は何か頓珍漢な勘違いをしとるようだから1つだけ教えといて
やるがなぁ。」
Rynex「えっ...?」
G3‐XX「俺はなあ、お前のせいだなどと思った事は、全然!全く!!さっぱり!!!
ちっとも!!!!い・ち・ど・た・り・と・も、ないからなッ!!!!!」
単語の一つ一つ、一文字一文字に、思いっきり力が込めて力説する。
Rynex「クゥエル様......」
G3‐XX「おっと、今はG3だぜぃ☆」
Gストライカーの後部ハッチが開き、昇降装置が地面に伸びていく。
Rynex「グランチェイサー、発進!!!」
グランチェイサーの前輪のフックがはずれ、昇降装置の上を滑り降りてそのまま走っていった。
ブロロロロロロロ......
G3‐XX「グランチェイサー、モードチェンジ!!!」
G3がスイッチを押すと、グランチェイサーのタイヤがローター状に変形、飛行形態になり、はるか上空へと舞い上がっていく。
すると、マシンの後から、細身の鳥のようにも見える形をした巨大な戦闘艇が飛んできた。
ドーム状の中央部及びその後部の推進機関からそれぞれ細長い機首及び主翼・尾翼が伸びている。
中央部から機首にかけてのラインが、機体全体を、白鳥を思わせる優美な形に仕立て上げていた。
鳥類の姿をしたブウロらしいデザインである。
ゴオオオオオオオオオオオオ......
G3‐XX「おお!!!あれか、新兵器ってのは!!!!! ヽ(゚∀゚ )ノ
アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!」
G3がはしゃいでいると、前を飛ぶグランチェイサーと後ろを飛ぶ戦闘艇の間に誘導ビームが光る。
戦闘艇の中央部には、グランチェイサーが入るようにくぼみができていた。
G3‐XX「超合体!!!グランファイアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!」
ゴ・ブウロ・グ「いや、あの、一応『エトピリカ』って名前があるんすけど...(汗)
やれやれ(^^;」
G3の超適当なネーミングセンスにブウロは呆れた。その間にも2体のマシンの距離がだんだんと狭まっていく。
グワシイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!!!!
グランチェイサーと合体したグランファイアーは、そのまま宇宙へと飛び出していく。
やがて宇宙空間にワープホールが現れ、グランファイアーはそこへ吸い込まれるように突入していった。
ゴ・ブウロ・グ「やれやれ、テストもなしにいきなり実戦投入するハメになるとは...」
Rynex「G3様...ご武運を......」
Rynexは空を見上げて祈った。
今回の作戦はこうだ。
使い魔のゴ・ブウロ・グが持ってきた戦闘艇「グランファイアー」。
光以上の速さを持つこの新兵器の力でワープホールから空間を超えて異層次元へダイブ、
G6‐オメガとるるのいる613次元を目指す。異層次元へ入る=テレポートであるが、
グランファイアーの力で目的地まで一瞬で行く事はできない。
3次元世界の中ではテレポートを使えば一瞬で遠くに移動できるが、
613次元へはそのテレポートをもってしても一瞬では行けず、かなり遠い道のりになる。
普通に行くと宇宙の果てよりもはるかに遠い。何しろ、宇宙の果ての向こう側の更に果ての果てなのだから。
(というより、距離の概念自体怪しいが、便宜上、距離の概念で考えるとそういう事になる)
なお、この613次元とはいわゆる「冥府の世界」とは別の所で、復讐鬼どもの真の本拠地である。
冥府の世界は、613次元から長い時間をかけてやってきた小数の復讐鬼が
人間界への足がかりにするため一時的に留まるのに使っていたらしい。
実はこれまで613次元の存在自体が知られてなかったのだが、それは大邪神の力でジャミングがかけられていたため。
今回敵の本拠地がわかったのは、大邪神の復活が近づいたのに伴い
ジャミングに使っていた力を自分の復活にまわす必要があったためにジャミングが止まった事、更に、さらわれていったるるの気配を追ってブウロ達が探知した事による。
現在、異層次元ならびに大邪神の眠る2026次元には大邪神の瘴気が充満しており、
少なくとも復讐鬼中級レベル以上の力がなければ即死してしまう。
(るるのいる613次元は、生贄を死なせないように瘴気が排除され酸素も供給されている)
まず、異層次元に集結した復讐鬼の群れをG3が一点集中で強行突破、
その後を使い魔とワーバインが残存勢力を掃討しつつ次元航行マシン「カットラス」で追い、
G3がG6と戦っている隙に(もしくは倒した後に)るるを回収する手筈だ。
異層次元に到着したグランファイアー。そこにはまるで宇宙のように広大な空間が広がり、
周囲にいる無数の復讐鬼達が迎え撃ってくる。ざっと見ても数千万体はいるだろう。
しかも、これまでに登場した復讐鬼に比べて大柄で禍々しい怪物が勢揃いしている。
G6によって強化改造を施された奴らは、普通の復讐鬼とは一味も二味も違う連中で、
中には、クジラのメギド級もしくはそれ以上の力量を持った者もいるようだ。
G3‐XX「上等だぜ......行くぞゴルァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガシャコン!!!(GF‐0Xを構える)
ドッヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
一瞬のうちに発射されたGF‐0Xにより、あっというまに敵の姿が消えていく。動作・弾速ともに途轍もない速さなので怪物どもは避ける暇もない。
開戦の狼煙を兼ねた最初の攻撃で怪人の群れは全て消し飛んでいた。
突破口を開き、さらに奥へと突撃するG3。そこへ先ほどの数倍の敵が立ちふさがるが、
G3はすかさずGM‐01、GX‐05、GR‐07Bを構える。
GX‐05は2丁あり、両肩にアタッチしてキャノン砲のように装備していた。
G3‐XX「失せろザコどもゴルァ!!!!!」
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!!!!!!!!!!!!!!
全身の武器を一斉に撃ちまくるG3。グランファイアーにはG3専用武器の予備が多数収納されており、
撃って撃って撃ちまくる事が出来るのだ(GF‐0Xの予備はないが)。さらに...
バシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!!!!!!!!!!!!!!!
グランファイアーから光の筋が無数に伸びたと思った瞬間、怪人の群れが大爆発を起こした。
ロックオンレーザーだ。この勢いで敵陣を突破していくG3。
怪物どもは必死に反撃してくるが、G3とグランファイアーの前には全く歯が立たない。
グランファイアーの機体に張り付いてくる奴もいたが、G3のアーマーが放つオーラによってすべて蒸発してしまう。
たまにメギドのように液体化してくる者もいたが、結果は同じだった。
今のG3は、これまでと一味二味どころか何味違うかわからない。
パワーやスピードなどスペック的にはこれまでと大差はないのだが、暴走への恐怖を乗り越えた事により、今まで以上に力を器用に制御できるようになったのだ。これまでのように力の出しすぎを恐れて過剰に手加減する事もない。
そして何より、気合いが違う。心意気が違う。力もハートも、今や最高潮に達していた。
使い魔達の次元航行マシン、カットラスは、残存勢力を掃討しながらG3の後を追う。
ゴ・ガドル・バ「オラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!!」
ドウ!ドウ!ドウ!ドウ!ドウ!ドウ!ドウ!
射撃体に変化してボウガンを撃ちまくるガドル。
ゴ・ガメゴ・レ「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!」
ドゴ!バキ!ガス!ドカ!ベキ!グシャ!
大量の鉄球を四方八方に投げつけるガメゴ。
ドガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!
専用の吹き矢で復讐鬼を撃ち落としていくブウロ。
ゴ・バベル・ダ「グオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!」
次元航行マシンに乗り移ってきた怪人をハンマーで叩き落していくバベル。
ブロロロロロロロロロ......ズギャギャギャギャギャ!!!!!!
同じくマシンに乗り移った怪人を愛用バイク『バギブソン』で蹴散らすバダー。
バシュウウウウウウウウウウウウウッ!!!!!!
口から吐く水流のようなビーム(?)で復讐鬼をなぎ払うワーバイン。
その頃、守護天使達の家にいた一同は天界に集まっていた。
それに加えて、G3の素性を調査していた特務機関フェンリルの白鷺のサキと伝書鳩のレオン、さらにはクゥエルを戦闘生物に改造した神々の姿もある。
(なお、サキとレオンは自分の素性を隠している)
らん「あ、あれ...?」
つばさ「あそこにいるのって...」
くるみ「もしかして...!」
ライト・ハープ・マリー「教官!!!」
6人はサキを見つけて驚く。彼女達にとってサキは、ほんの一時期だったが厳しくも優しい教官だったのだ。
サキ「久しぶりね......」
一方、他の守護天使達は、レオンの姿を見て、
あゆみ「あなたはたしか...」
ゆき「以前に私達を護衛して下さった方ですよね。」
レオン「久しぶりだな。」
ご主人様「あ、どうも。その節はお世話になりました。」
レオン「ま、仕事だったからな。」
一同は、ムサ婆の水晶玉で、異層次元で戦うG3の様子を見ようとしていた。が...
パリイイイイン!!!
水晶が割れてしまった。復讐鬼や大邪神の瘴気、さらにはG3の闘気などに圧され、その影響が出てしまったようだ。
ムサ婆「な、何という事じゃ...それほどまでに彼等の力が強大じゃというのか......」
レオン「こりゃとんでもない事になりそうだな。」
ロック「おいおい、これじゃあ見れねえじゃんかよ。」
エレナ「そういえばあの人、心も読めなかったしねえ。」
くるみ「気になるの~、気になるの~」
そこへRynexが出てくる。
Rynex「ムサ婆様、これを使ってみて下さい。」
そう言って青く透き通った水晶玉を差し出す。
ムサ婆「これは......?」
Rynex「G3様の着けている装甲と同じ材質でできています。これならあちらの様子が見えるかも知れません。」
ムサ婆「......そうか、お前さんもあの計画に関わっておったのじゃな。うむ、わかった。」
ムサ婆は、新しい水晶玉を使って異層次元の様子を空中に映像として映し出した。