コブラ怪人グランツは倒したが、ご主人様の受けた傷はひどく、危険な状態だ。
既にあゆみが携帯電話で救急車を呼んでおいたのだが、このままではとても間に合いそうに無い。
るる「グスッ...ウウ...ウワアアアアアアン!!!!」
顔をぐしゃぐしゃにして泣くるる。
なな「ご主人様!しっかりして!!!お願い!!!目を開けてよオオッ!!!!!」
倒れたご主人様にすがり付いて呼びかけるなな。
もも「こ、このままじゃ...このままじゃご主人様が死んじゃう!!! どうすればいい
の...?」
途方にくれるもも。
G3‐XX「この様子じゃグランチェイサーで運んでも間に合わないか...まずいぜ!」
だが、一番取り乱していたのはあゆみだった。
あゆみ「わ、私のせいだわ...私がG3さんにあんな事を言ったばかりにこんな事に」
その場にへたりこみ、血の気の失せた顔で体中を震わせているあゆみ。
あゆみ「もし主人様がこのまま死んでしまったら...もう私は生きていく資格はあり
ません...」
G3‐XX「ベレー帽...?」
あゆみ「そうよ!!!みんな私が悪いのよ!!!こんな私に守護天使の資格なんて
ない!!! ご主人様と同じ世界で生きる資格なんてないのよ!!!」
泣き叫ぶかのように言い放つあゆみ。あの冷静なあゆみがこれほどまで取り乱す様子に驚く一同。
あゆみ「もうダメ...この世界にいられない!!!
私が...私が死ねばよかったのですわ!!!!!!」
スパアアアアアアアアアアアアン!!!!!!
何かがあゆみの頭をはたいた。ハッとして顔を向けるあゆみ。G3が、なぜかハリセンを持って立っていた。
G3‐XX「落ち着け!!!まだ方法はある。一か八かだ!!!!!」
そう言うと、ご主人様の側へ行く。
G3‐XX「ちょいと離れていてくれ。」
何だかよくわからないが、とりあえずその通りにするるる達3人。そしてG3は、力を溜めるように拳を握り締める。
そして、左の拳を腰につけたままおもむろに右手を自分の左目の前に突き出し、それをゆっくりと右の方にスライドさせた。
G3‐XX「超変身!!!!!」
そう叫んだ瞬間、G3の体中に黒いオーラが電流のようにほとばしり、全身のアーマーがより有機的・生物的に歪みながら変形していく。
G3‐XX「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!
!!!!!!!!!!!」
全身にみなぎる力に呼応するかのように激しく猛り狂うG3。やがて電流が収まると、G3‐XXの面影を残しつつも、
全体的に生物的、というより無機物と有機物が融合したややグロテスクなデザインのボディとなっていた。その光景を前に驚く一同。
あゆみ「......変わった...?」
るる・なな・もも「.........」
るる達3人は、驚きのあまり言葉も出なかった。
電気をトラウマとするももは怯えながら2人にしがみつく。実際には電気ではなくそれっぽく見えるオーラなのだが。
G3‐XXとはもともと、戦闘生物クゥエルの強大すぎる力をセーブするための拘束具である。が、
今、彼はG3‐XXを装着したまま戦闘生物の力をわずかながら無理やり引き出した。そしてクゥエルには、神の持つ奇跡の力が備わっている。
したがって、超変身後は少しだけだがその奇跡の力を使う事が出来る。これが超変身、G3‐XYZ(ジースリー・エグザイズ)なのだ!
その頃、Gストライカーが現場に向かっていた。
車内のモニターを通してその様子を見ていたRynexは...
Rynex「エエッ!?ま、まさか...あのアーマーの拘束を破るなんて!!!
そ、そんなバカな...」
G3...いや、クゥエルの予想以上の力に驚くRynex。
Rynex「......さすがは私の見込んだお方です。しかし...」
Rynexは、誇らしげな中にも不安を隠せなかった。
戦闘生物の力を無理やり引き出すということは、それだけ暴走の危険性を伴うのである。
あまり頻繁に超変身すると、G3は全てを滅ぼす悪魔となってしまうだろう。
そしてG3が振り上げた拳にまばゆいばかりの光が集中する。
G3‐XYZ「どわりゃあああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああッ!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ビキイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
神の力を込めた突きを一閃!!!!!そして、あたたかい光がご主人様を包む。
やがて光が収まると、ご主人様の傷はすっかり消え去り、G3はもとの姿に戻っていった。