悲鳴の聞こえた方へ急ぐ3人。そこで目にしたのは、コブラのような怪人に首根っこを掴まれて泣いているるるの姿であった。
コブラ怪人「クククク、こいつはまたうまそうな獲物だ。カエルみたいな格好してるの
が一段とそそられるねえ。」
ご主人様「るるッ!!!!!」
なな・もも「るるちゃん!!!」
るる「あああああんっ!!!恐いおぅ!!!!!」
怪人に捕まえられたるるは、顔をクシャクシャにして泣きながらじたばたと暴れる。
ご主人様「るるを離せ!!!」
そう言って怪人に向かっていくご主人様。怪人に組み付き、るるを取り戻そうとしたが、あっさりと弾き飛ばされてしまった。
なな「あっ、ご主人様! よくもやったな!るるちゃんを返せ!!!」
もも「ななちゃん... ももだって...!」
今度はななとももが怪人に向かっていった。が、これまたやはり弾き飛ばされる。
コブラ怪人「ケッ、まずは貴様らから始末してくれるわ!」
そう言って、倒れている2人の方へるるを放り出し、背中から伸縮式の槍を取り出す。
3人まとめて始末するつもりだ。ゆっくりと歩み寄ってくる怪人。
もも「ああ...あ、ああっ...」
壁を背に座り込んで足を震わせるもも。恐怖のあまり言葉が出なかった。
るる「いやらおぉッ!!!るる達、食べてもおいしくないおぉッ!!!」
泣きながらななにしがみつくるる。泣き出したいのはななも同じだったが、
自分がお姉さんであるので何とか泣くまいと必死にこらえていた。
なな「こんな時...こんな時に、G3さんがいてくれたら...」
コブラ怪人「これで終わりだ!!!死ねィ!!!」
槍を振り下ろす怪人。
ドスッ!!!!!
固く目を閉じていた3人が恐る恐る目を開けて見ると...
目の前にはご主人様が...!怪人の槍を腹部に受けており、そのまま倒れていった。
???「ご主人様ああああああああああッ!!!!!!!」
声のした方を見てみると、そこにいたのは、4人の様子を見に来たあゆみだった。
るる「あゆみ姉たん......!ご主人たまが...ご主人たまが...うわああああ
ああああああああん!!!!!」
もも「ご主人様...ううっ...もも達のために、こんな...ぐすっ...」
嗚咽を漏らすもも。
なな「お願い、G3さん...早く...早く来て!!!」
コブラ怪人「あ?何の事かさっぱりわからんが、邪魔が入っちまったな。今度こそ、
このガキどもをぶっ殺してやる。覚悟しな!!!」
あゆみ「待って!待って下さい!!!」
そう言って、槍を振り上げる怪人の前にあゆみが割って入った。
あゆみ「お願いです!私はどうなっても構いませんから、どうか...どうかこの子達
とご主人様を見逃して下さい!!!」
るる「あゆみ姉たん...」
コブラ怪人「やなこった。どの道、お前ら全員始末するつもりだからな。」
ドカッ!!!
蹴り飛ばされたあゆみは、4人のいる方へ倒れこんだ。
もも「あゆみお姉ちゃん! このままじゃ...このままじゃ、みんなやられちゃう..!」
ご主人様「うぐっ...がはっ!」
傷の痛みで苦しむご主人様。
るる「ご主人たま、死んじゃやらお~~~ッ!!!」
なな「どうして...どうしてG3さんは来てくれないの...?」
あゆみ「!!!」
ななの言葉を聞いた瞬間、あゆみはハッとしたように自分のした事の重大さを悟った。
G3を街から追い出してしまったのは他ならぬあゆみ自身なのだ。
他のみんなのために良かれと思って決断して行った事が裏目に出てしまい、
ご主人様やるる達から救いの手を遠ざけてしまった。そのために今、ご主人様が死にかけている。
少なくともあゆみ自身はそう思い込んでいた。
るる達にも危険が迫っている。己を引き換えてでもご主人様たちを救いたい。
激しい自責の念に苛まれている今のあゆみは、ただそれだけを望んでいた。
あゆみは、おもむろに立ち上がると、そのまま怪人に向かって組み付いていく。
コブラ怪人「ん!?何だ?」
あゆみ「さあ、今のうちに逃げなさい!!!」
なな「あゆみ姉ちゃん!」
もも「そんな...あゆみお姉ちゃんを置いていけないよ!」
るる「あゆみ姉たんも一緒に逃げるんらお!」
あゆみ「ご主人様をお守りするのが守護天使の役目です!ご主人様を連れて、行き
なさい!早く!!!」
しかし、すぐに振りほどかれて地面に倒れこむあゆみ。
コブラ怪人「そうかそうか、そんなに命がいらないか。だったら望みどおり、貴様から
始末してやるぞ、帽子女。」
あゆみに向かって槍を振りかぶる怪人。
るる「あゆみ姉たあああああああああああんッ!!!!!!!」
もも「もうだめだわ!!!」
目を覆うもも。
なな「お願い、G3さん...あゆみ姉ちゃんを助けて!みんなを助けて!!!」
祈るように叫ぶなな。しかし、バイクのエンジン音が聞こえてくる様子はなかった...