…………
もう何度目になるのだろう
白の世界
光だけが存在する世界
今回も彼らは、えんえんと私の周りを周回しながら、その輝きで空間を煌々と照らしていた。
いい加減、回るのに飽きたりしないのだろうか。
大きさはいろいろ。
しかしどれも落ち着いた柔らかい光を放ち、まるで呼吸をしているかのように、自身の大きさや光の強さをゆっくりと増減させている。
白は普通、何も存在しない、無を意味する。
あるいは、潔白を……。
私が潔白かどうかは知らない。だけど今の私は、きっとからっぽなのだろう。
思い出そうとしても、なにも頭に浮かんでこない。
いつものように私の周りを回っている眩い光達。
彼らの方が、よほど多くのことを知っているのかも。
私がからっぽの様なのは、もしかしたら彼らのせいなのかも知れない。
これから起こる思い出との再会を、より深く脳裏に刻みつけられるように……。
からっぽの方が、きっとよく入るだろうから。
考えすぎだろうか。彼らが私に昔を思い出させてくれるだなんて。
……
一つの光が、それまで従っていた軌道から離脱して、私の元へとやってきた。
恐れることはない。
前にもあった。こういうことは。
前回と違って、私は冷静に状況を分析できる余裕を持っている。
……
天使?
まさか……。
彼は私の目の前で静止すると、風船のようにどんどん膨張し私の背丈をゆうに越す大きさまでに成長すると、ゆっくり近づいてきて……。
そのまま私を、自分の中へと飲み込んだ。