きよく!ただしく!!

呪詛悪魔編 第十二話「狂気の王者・vs金剛」

・・・と、ここで少し時間を戻ってみよう。

よしきと別れ神社に向かって走る千田。
と、いきなり一陣の風が吹き、目の前に妖艶な女性が現れた。

千田「妃皇子さん・・・・」

千田の足が止まった。

妃皇子「そんなに急いでどこに行くの、坊や?」

かすかに笑みを浮かべる口元が妙に色っぽい。

千田「どいてください・・・といっても無駄ですよね。」

木刀を握る手に力が入る。

妃皇子「わかってるようね。なら話が早いわ。」
千田「あなたには・・・もう一つ許せないことがあります。
   何故・・何故恵ちゃんを利用したんですか?!」
妃皇子「あの女が坊やに惚れてたからよ。
     私はただ二人の恋路の手助けをしただけ・・・それだけよ。
     それなのに、みすみすそれを無駄にするなんて
     坊やも相当の馬鹿ね。」

冷ややかな笑みを浮かべる妃皇子。

千田「許せない・・・許せない!!」

不意に千田は木刀を横に払った。が、よけられ空を切った。

妃皇子「どうしてもここを通りたいのなら、私を倒すしかないわよ、坊や。
     でも、私をただの催眠術師だと思ったら大間違いよ。」

と、妃皇子が空に手をかざした。
するとそこに先の尖った氷のようなものが無数に出現した。

妃皇子「ハッ!!」

妃皇子が腕を振り下ろすと、その無数のアイスピックのような結晶が
千田めがけて飛んできた。
千田は木刀を使いつつ、それらをかわしていく。
と、一つの結晶が木刀の脇をすり抜け
千田の顔めがけて飛んできた。

千田「ウワッ!!」

よけれないと思い目をつむった千田だが、
次に瞬間結晶は千田の目の前で音をたてて割れた。
と、千田の足元に千枚通しが突き刺さる。
どうやらこの千枚通しが結晶にあたり、結晶が砕けたようだ。

妃皇子「誰だっ!!」

妃皇子が空を見上げ、千田もそのほうを見上げた。

+++「そのケンカ、俺に買わせてもらおうか・・ってね。」

屋根の上付近から、若い男の声がした。

一体この声の主は、敵か?それとも味方か?

 

つづく


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