きよく!ただしく!!

元六・ヱ戸時代編 第壱話「時代劇だよ!全員集合!!」

千兵衛「・・・はぁ、なぁおきよ、そろそろこの家業、足洗おうよ。」
きよ「何ゆうてんねんお兄ちゃん!
   うちが頭である限り、
   『闇夜の九官鳥』は絶対なくしたりせえへんよ!!」
よしき「仕方ないですね、千兵衛さん。
    一族の女性が頭となり男は頭に絶対服従というのが
    一族の古くからの掟なんですね。」

勘のいい方からすでにお気づきかと思いますが、
最近巷を騒がせている義賊集団「闇夜の九官鳥」というのは
ここにいるきよ、よしき、そして千兵衛の3人のことなのであります。
彼等は古くから盗賊を家業とする一族に生まれ、
それぞれ泥棒として必要な技術を教わりながら育ってきたのであります。
彼等の一族の掟はさっきよしきが述べたことにつきます。
千兵衛ときよの母親が去年亡くなってしまい、
現在残っている一族の女はきよだけ。
よってしきたりどおり、きよが「闇夜の九官鳥」の頭となったのであります。

千兵衛「でもさ、元々僕らは義賊なんだよ。
     なのに今まで盗みに入ったところは
     みんな普通に商売してるとこばっかりじゃないか。」
よしき「天留屋(あめるや)、美留久屋(みるくや)、
    和家夢屋(わいえむや)に勇間屋(ゆうまや)、そして江間屋・・
    たしかにみんな何も悪いことはしてないはずですね?」
きよ「そんなんうちにもわかってる!!
   でも、うち等はこれせんとご飯買えへんねやで!!
   お兄ちゃんのくしやかんざしかて、
   週に1、2本売れたらええほうやし・・・
   よしきはよしきで道楽みたいな瓦版作り、
   うちかてしたないっちゅうねん!!」
千兵衛「わ、わかった、わかったから・・・・あまり怒んないで、ね。」
よしき「僕らも、ちょっと言い過ぎたんですね。すいません。」
きよ「わかればええんや。
   で、今度の標的はどこや、よしき?」
よしき「今回は、僕らの仕事らしい仕事なんですね。」
千兵衛「てことは・・・・・」
よしき「そのとおりですね。」
きよ「詳しく聞こか・・・・」

 

つづく


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