今揉めているオスプレイ問題について

エマ
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今揉めているオスプレイ問題についてちょっと私の考えをば。

今回の、低空飛行訓練のルートが急遽変更された、この在日米軍及び防衛省の対応のまずさについては、
私も否定するつもりはありませんので、それを踏まえた上でちょっと言わせてください。

今まで見ていると、どうもマスコミも各県庁も国民の皆さんも、オスプレイを特別視しすぎている気がします。

リスクというものは、一部だけにこだわるのではなく、総合的に判断しなければ現実的な安全策は取れません。

たとえば、航空自衛隊百里基地からはF15-Jやら在日アメリカ空軍機がしょっちゅう上空を飛び回っているわけです。

仮に、オスプレイの事故率がF15-Jの2倍あったとしましょう。仮にですよ。
(私は軍事に精通しているわけではないですし、ティルトローター式垂直離着陸機とジェット戦闘機の単純な比較が難しいことは承知の上です)

しかし、仮にF15がオスプレイの3倍以上の物量で訓練を行っていた場合は、F15の訓練の方が危険なわけです。

そういうことを考えると、「オスプレイはウチの上空を飛んでもいいけど、これからはF15はウチの上空を飛ばないようにしてね」という交渉もありえるわけです。
(現実的に妥当かは別にして)

しかしながら、マスコミも県庁も国民も、オスプレイだけが「とんでもなく危険だ。とにかくオスプレイやだわー!」と条件反射的に、それだけをリスクと捉えてしまっている節があります。

そうではなく、現状の航空自衛隊・在日米軍のすべての訓練の安全性を全体的に見渡した上で、総合的にリスクを判断すべきでしょう。

繰り返しますが、リスクというものは一部だけ見ていると、判断を見誤ります。

関係各位には、そうした俯瞰的な観点から、オスプレイ問題を見直して欲しいと思います。

追記1:
航空自衛隊・在日米軍の飛行訓練のリスクを全国的に数値化するのは、困難かもしれません。

そもそも航空機事故というのは、整備ミスや操縦ミスといった、ヒューマンエラーによるところが大きく、その確率は変動するものであり、また、航空機事故自体そんなに頻発するものではないので、事故の統計を取りにくいというのもあります。

ただ、数値化の難しさといえば地震だってそうです。しかし、地震学のプロの方々は、知恵をしぼってなんとか日本列島の地震リスクの数値を出そうと試みています。

防衛省としては、やりたくない分野かもしれませんが、誰かが、航空訓練の事故リスクの数値化はやってもいいと思います。
そうした数値を踏まえたうえで、リスクが局所化しないように、地理的にリスクを分散できるように訓練の分布を再検討するしかないでしょう。

そうしないと、現在の印象的・感情的な、統一の見解を永遠に見ることのない水かけ脅威論が終わることはないように思います。
 
 
 
追記2:
しかしながら、リスク管理で問題となってくるのが、「推定された確率より、モノを言うのは実際に起こったかどうか」というところです。

仮に、関東で今後10年間で起こる大地震のリスクが5%だとして、政府がコスト的に見合わないとして巨額対策を見送った。しかし、5年以内に大地震が起きてしまったら、「無策だった政府は何をやってたんだ!」ということになりますし、

今後10年間で起こる大地震のリスクが90%だったとして、政府が巨額対策を毎年行ったとして、20年たっても大地震が起こらなかったとしたら、「無駄な投資だ!」と批判を浴びることになるでしょう。

同様に、この一連のオスプレイ導入が正しかったかどうか、その国民の審判は結局のところ、「オスプレイ事故がたった1件でも実際におこってしまったか、否か」ですべてが決まってしまうようにも思います。

ちょっと、違うようにも思うのですが……。

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このページは、エマが2013年3月 5日 22:58に書いたブログ記事です。

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