『放蕩オペラハウス』さんのとこに何気なくアクセスしてみると、非常に懐かしい作品が紹介されていたので私もリンクしてみる。
この『オレ通AtoZ』。私は確かBookOffで偶然見つけて買ったんですが、その理由というのも中でひたすらMacが登場するというだけだったという…(笑)
内容についてはリンク先にある通り…。インターネット以前のパソコン通信時代から「オフ会」も「美麗CG描ける人はオタク界での地位は最上位クラス」も「煽り合い」もちゃあんとあったわけです。まぁ確かに、「リアル襲撃」はさすがに今でもそうないと思いますけど(笑)
この漫画の魅力はなんといっても、主人公ヨッキ君の若気の至りな自己中心的性格(今で言えば厨房ですな)。パソ通の掲示板に現れた女の子が実は同じ学校の先輩だったというんですが、このヨッキ君、この先輩の気持ちも判らずに突如現れるワガママ声優アイドルのアッシー君になったりとか、先輩の遠まわしな誘いに「旅行? そんなお金あったら最新のモデム買いますね」と平然と言ってのけたりする痛さがとにかく痛快(笑)
しかし、終盤ではヨッキ君も色んな経験から学んでいきます。そして最後は先輩に遊園地だかなんかのチケット渡してデートに誘うシーンで終わるという、後味すっきりさ。嗚呼ごめんなさい。最近読んでないので細かいとこ覚えてないんですが、この漫画の醍醐味はこのヨッキ君の成長ぶりだったりするのですよ。あとパソ通やパソコン、声優アイドル、ネット仲間のオフ会でよくありがちな出来事が明快に描かれて人によってはニヤリとしてしまう所とか…。
また同時期に描かれた「Ringo」もお勧めです。ヨッキ君にそっくりな主人公が、ひょんな事から偶然知り合った売れない駆け出し声優の女の子と一緒に、大ヒット恋愛ゲーム「きらめきダイアリー」(←笑)を手がけた一流ゲームメーカーの次期美少女ゲームプロジェクト「Ringo」に参加します。
んで、そのゲームの内容がRingoという今で言うゲーム機で動くバーチャルアイドルとコミュニケーションしようとかいう奴で、最近はXboxでも似たようなのありますが、これが描かれたのはまだiMacすら発売されていない1997年。さすがは恋緒 みなと!! 5年は時代を先取りしてます!(笑)
ゲームメーカーの開発工程や修羅場っぷりの描かれ方とか、そういう面でも面白いのですがやはり見所は売れない声優の女の子と主人公とのぎこちないコミニュケーション。これに尽きるかと!
どういう事かと申しますとですね。あるゲーセンでこの女の子がマージャンゲームをやっていたんですが、後ろで見ていた主人公が「なんだよこのゲーム。アルゴリズムは腐ってるし、第一使ってる声優の声がダメですね。どうせ売れない新人とか使っ…(ry」とか余計な事を言う。んでお約束どおりそのゲームの声にその女の子が声あてやっていたという(´ヘ`;)
恋緒 みなとさんの描くオタク少年ってなんでみんなこうなんだろうか…。
でもこの少年がヨッキ君と違うところは元気な妹が居るところですね。これがとんでもないゲーマーで、近場のゲーセンでは無敵伝説を確立し男どもから敬語で話しかけられるという結構凄い子なんですが、自分の身だしなみに凄い無頓着・無防備というのがこの漫画のポイントでして、ゲームコントローラ片手に薄着で昼寝してたり、朝学校行くときに主人公にタイを直されちゃったりするんですよ! うわこのシチュエーションって今からすると色んな意味で萌え…。
というわけで、『オレ通AtoZ』及び『Ringo』。激お勧めです。この二つの漫画ってどう考えても普通の漫画家じゃ絶対に題材にしないような事やってるって所に価値があると思うのですよ。
私今はさほどアニメとか美少女ゲームとか興味ないんですが、昔はこういうの大好きだったんでしょうね。妙に懐かしかったんで今回つい興奮気味に紹介してみた次第です(^^;
いや、この紹介記事そのものが、ヨッキ君並みにイタイっていうのは重々承知の上ですよ~(笑)
ちなみにこの漫画の作者さんは「スターオーシャン・セカンド」のキャラデザも手がけてます。最近はどういった活動をされているんでしょうねー。